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 人間物語 の メール講座   NO9
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講座の内容が 
今迄とは違う角度からのアプローチなので
昨日までは解り難かったという人達にも
受け容れる事が出来るかも知れません。
気を取り直して読んで下さいね。


★ さまよえる あなたに ★

◇遠い昔◇

旅立ち そして最初の愛 

あなたが 
20歳なら20年前 
30歳ならば30年前
40歳ならば40年前
50歳ならば50年前に
60歳ならば60年前に
70歳ならば70年前に
 
あなたは 母親の お腹の中で 
途方も無い安らぎと安心感の中
それ以上無い 大きな幸せ感に包まれて
満ち足りて眠っていた。





それなのに この世に産まれ落ちた時から
それまでは あなたの物であったはずの 
あの途方も無い安らぎも 
居心地の良かった安心感も 
あなたを包んでいた それ以上はない大きな幸せ感も 
全てが壊されてしまう
そして そんな物が何処かに消え去ってしまった時
あなたは その日から暗闇の中を歩き出す・・・。

母親の お腹の中に居る時
そして 産まれ出てからの ほんの ひと時のあいだ
全ての赤子は1枚の真っ白な紙の様に 
いいや それよりも更に美しい 透明感と
透き通る程の純粋さに包まれている。

あなたも かっては そうだった・・・。

あらゆる条件付けは まだ一切 成されていない

だが 親によって 近親者によって
赤子の あなたに あなた以外の全ての人達の手によって
ひとつ ひとつの条件付けが 成され始める
真っ白な紙の上に 様々な人達が
様々な色を塗り付けて来る

その時 あなたは無抵抗 無防備
そして何が起きているのかも解かる筈もない。

やがて あなたは育ち 学校 社会と 通過し
更に多くの条件付けが成された中に成長して来た あなたは
確固たる者に出来上がる。





今 此処に この話しを聞くあなたは
その様な過程を経てきた あなたであって
本来の純粋無垢な 透明な あなたでは無い・・・。

だから どうか
一切の条件付けを それらから得た知識を
ちょっとだけ どかしてから
この話しに耳を傾けて欲しい。

私は あの生まれたての
一枚の真っ白な紙に向かって話したい・・・。 


私は 本当の あなたを知っている。
あなたでさえ 知らない 
本当の あなたを知っている。

あなたが どこから来たのかも
そして 何処へ消えて行くのかも 知っている。

何故なら
私は ある一人の人間が産まれてから死ぬまでを
その人間の誕生の瞬間から 死への瞬間までを
この目で見た。
その人間が この世の中に現れてから
その人間が この世の中を去るまでを・・・。
そして それ以降も・・・。

その人間を通して
あなたに 本当のあなたを 
あなたとは一体誰なのかを伝えよう。

この男は とっておきの材料だ
材料中の材料 とても良い素材だよ。  



この彼は幼い頃に母を亡くしている・・・・・。

丁度 彼が5歳になったばかりの頃に
彼の母は4人の子供を残して この世を後にした。
だが まだ5歳の彼には 
何がなんだかわからなかった

母が静かに息を引き取った ベッドの周りを皆が囲んでいて
彼の父親が その母にすがる様にして泣いている
そして その周りの人達も
何やら 悲しそうな顔をしている

彼が判断出来たのは
「これは決して嬉しい事じゃない だから僕も悲しそうに
しなくちゃいけない」と
幼い彼には これくらいにしか映らない。
まだ幼さの残る あどけない彼には
それくらいでも 精一杯だった。

やがて 通夜が行われ 葬儀が行われて
その上 火葬場で母親の遺骨を拾うことまで
彼は父親に言われるまま 懸命にやった

それでも彼には まだ何が起きているのかが
理解できていなかった。

全て その場の中を通っていて 
実際に自分で 全部を体験しているのにもかかわらず
自分が何をしたのかは 全て憶えていて 
その意味の理解が出来ていない。

だから彼にとっては その事が別にショックな事でも
悲しい事でも 無かった。


だが・・・もしも彼に死と言うものが理解出来ていて
母親が もう二度と帰って来れないと解かっていたら・・・

この拾った骨は まぎれもなく 
自分の大好きな あの母の
変わり果てた姿なんだと解かっていたら 
彼は5歳であっても号泣した事だろう それどころか
狂っていたかも知れない・・・。

けれども それらの事を理解するには 幸か不幸か
余りにも彼は幼かった・・・。



その日を境に彼の生活環境は急変して行った。
彼は ある孤児院に入る事になる

彼の父親は 母親の死後 サラリーマンを辞めて
ある程度は 時間の自由がきく 職人と成って働いたが
4人の 幼い子供達を 育てて行く事は 
並大抵の大変さでは無かった。

そこに不幸は続き7歳に成る長男が小児結核と
兄弟は 嫌でも離ればなれに孤児院で暮らす事になった。

彼の体験する孤児院での生活
これは彼にとって 良い意味でも 悪い意味でも
大きく影響を与えた。

孤児院での生活には様々な事が有ったが
中でも より大きく影響を与えたのは
彼の父親が 彼に面会に来てくれた時に起きた事だった。

彼の父親が面会に来てくれるのは
丁度1年に1度だけ・・・。
5歳の子が 親と離れて暮らさなければいけない時
その子は 一体 どうやって 自分を保護するかと云ったら
遊びや その他の色々な物事に熱中することだ。

独りで居れば 当然のごとく 寂しさが襲ってくる
その寂しさを紛らわせるには 他には何も無い
今ならゲームだけれど その頃にはゲーム機など無かった。

誰に甘えたくても 
父や兄弟と云った家族に会いたくなっても それは叶わず
自分で全てを解決しなければ いけない日々
こんなに幼い頃から 人は悲しさや苦しさの中を歩いて
行かなければならない。


その苦しさの中には 親が知らず知らずの内に
与えてしまっているものが沢山有る。
親が未然に防いで上げられるものが沢山有る。

愚かな事に その親自身が幼い頃に
似たような体験をしていて「俺が あたしが 親になったら
こんな思いだけは絶対にさせない」と誓って育てたのに
かかわらず・・・。

これが世に有る 最も 愚かしい事実
まさしく カルマ(業・或いは繰り返し)

そして彼も又 その業を受け継いでしまう事になるのだが
その事は 後に話そう。

さあ そうやって寂しさを懸命に遊びに熱中することで
誤魔化していた彼に 
年に1度の 父が面会にやって来た。
いつも自分の気持を我慢をし押し殺していて
胸の奥で いつも いつも逢いたくて仕方が無かった人が
待ちに待っていた父親が やっと逢いに来てくれた。

この孤児院は 男女合わせて100人位の子供達が
入園している とても広い孤児院だった。

だから 家族が面会に来たことを園内の放送で知らせる。
「たかしちゃん お父さんが面会に来ていますから
正面玄関まで 来て下さい」

さあ もう 彼は たまらない
その一言で 一生懸命に押し殺して来た 今日までの辛い想いが 
込み上げて来る 涙で目が潤んでくる

彼は 夢中で 正面玄関を目指して走る
その途中 彼の胸の中では 何度となく呟いている
「お父ちゃんが来た お父ちゃんが来た 僕 ずっと我慢
してたんだ。お父ちゃんに逢ったら抱きついて ずっと
寂しかったって言うんだ もう我慢なんかしないで
泣いたって良いんだ 誰にも怒られないんだ・・・」と
そして正面玄関に着いた彼

玄関には
待ちに待った父親の姿が有る。

ところが 彼は立ち止まったまま
父親に近づこうとしない

1年もの長い間 逢っていなかった父親に 彼は飛び込んで
行けなくなってしまっていた。

だが そんな彼を見て父親は直ぐに気がつき
すっかりイジケテしまっている我が子に
父親だからこそ解かる
1年の間の苦しさに対する理解の為に
今度は 父親が 目にいっぱいの涙を溜めながら
「たかし こっちへおいで お父ちゃんだよ」
その声に 初めて彼は近寄る事が出来た。

まだ なんとなく ぎこちない気持で

だが その日は 親子水入らずだ
遊園地や動物園と色々な所に連れて行ってもらい
彼は実感で自分の父親を感じ取る事が出来る。

そして1日が終わり孤児院に帰り着く
彼は何となく近づいて来ている別れからか
父親の傍を離れようとはしない

そんな彼に父親は「たかし お父ちゃん 煙草を買って
くるから 大人しく待っていてくれ」と 言うそうだ。

彼は毎回の事で それが何を意味しているのか解かっている
彼は泣き出し 余計に父親から離れようとしない。
 
それを見かねて 保母さんたちが彼に
「たかしちゃん お父さんは直ぐに帰って来るから先生
と一緒に待っていようね」と なだめながら引き離す
嫌がる彼を 泣きわめく彼を 2人がかりだ
大人の力には勝てるわけもない・・・。

彼は ありったけの大声で叫び
ありったけの涙を流して父親に懇願する。
「帰らないで 帰るなら僕を一緒に連れて行って欲しい
お父ちゃんと一緒に行きたい」
父親は 彼が どんなに力いっぱいに泣いても
どんなに大声で叫んでも 決して振り返る事無く
帰って行ったそうだ。

いや
振り返る事が出来なかったんだ。
この時 父親は 振り返って 彼の元に戻り
もう1度泣き叫ぶ我が子を抱きしめて上げたかっただろう
そして「たかし一緒に帰ろう」とも言って上げたかったろう
それが出来ない自分を どんなに不甲斐無く思った事だろう
父親は 心を鬼にして振り向かなかった。

ところが その時の彼には そうする父親の態度が不思議
でならなかった。
「こんなに 大声で泣いているのに お父ちゃんは
僕の方を見てくれない なんで意地悪するんだ 僕が嫌いなのか
僕は もうお父ちゃんの子じゃないのか?」
その時の彼の理解は これぐらいだったと言う


そして煙草を買いに行くと云うのが
嘘だと解かりながらも 彼は その嘘の方を信じたい。
これは良く解かる 誰もが そう信じたいだろう
彼は待った・・・。

正面玄関でじっと待った。
ふと気づいた時 あたりは 既に真っ暗だ
そして独り彼だけが そこに居る
この時 彼は胸の中で つぶやいた
ほんの独り言だった「お父ちゃんは 僕に嘘をついた
先生達も 僕に嘘をついた。僕は もう誰にも本当の事を
言わないし 誰にも本当の僕を見せない」
この時 
この日を境に 
彼は鉄火面を被ってしまった・・・・。

そして実際に彼は その通りに生きた
何もこれは 特に彼に限った事じゃない
あなたも その事の強弱は有れ これに似た様な体験を
しているだろう。
もう 今の あなたには忘れかかっているかも知れないが
まだ幼かった頃 何かによって それまでの自分とは
ガラリと違ってしまう。



周囲には なぜそうなったのかも解かりはしなくても
あなただけは全てを知っている。
いわゆる世間的な言葉で言うと殻を被ってしまうと
言う事になる

この殻は 何も 人とか その時の状況とかが 被せるんじゃない
本人が被るんだ。例え人が無理やり それをしたくても
当の本人が その気にならなければ絶対に不可能だ
この殻は その殻自体によって
周囲の心的な圧力から自分を保護する為の物だ
確かに それは 自分を守る
ところが同時に 自分への害をも 与えてしまいだす。
その殻を 
鉄火面を被りだした彼へのマイナス作用はと言うと
その殻によって真実を外へ出さない代わりに
真実も外から入れなくなっていた。

あなたに伝えたいのは
今 あなたの被ってしまっている その殻は
彼のものより ずっと強固だ
だってそうだろう
二重にも三重にも成ってしまっている。
彼のは まだ薄い たったの1枚の殻だ
真実は その殻を通すために見えにくいが
霞んでボンヤリとくらいは見える。
これは彼が外側を見る時にも そうで有るし
外側から他の人が彼を見た時にも同じだ
霞んでいる
ぼやけている
しかし真実は見えている。

ところが あなたのときたら
もう それは「真実」のしの字も見えないどころか
その殻自体に色付けをし デザインまでして偽性格を作り 


ひとつの人格とやらを与え 
殻が自分だと錯覚してしまっている。

それどころか
外側の人達からも真実を
真正な あなたを見出そうと
することも不可能であるどころか
あなた自身 真実の あなたを 
もうとっくの昔に忘れてしまっている。
悲しい事に こうなったらお終いだ。

だって あなたは 
あなたで無い者を握り そこに腰を落ち着けようとするから
落ち着けない 落ち着ける訳がない。
すると あなたは その落ち着きの無さを 
あれや これやと何かをやって解消しようとする。
動いている時の方が落ち着いていて
静かに動きを止めると 何かしら落ち着かなくなる
これは どういう落ち着き方だろう・・・?
きっと 何をやっても落ち着かないよ!

だって
そこに腰を落ち着けようと
居場所を見つけ出そうとする事自体が間違っているのだから。
それは 不可能だよ。

あなたは 決して出来ないことをしていて
出来ない 出来ないと 悩んだり嘆いたりしている。

それは無理なんだ。

例え 出来たとしても一時的に無理矢理作り出したもの
だから 崩れる運命に有る。



だから それが出来ないと言って
或いは 居場所が見つからないと
言って悩む事自体が おかしいんだよ。

それらが出来ないと言って悩んでいる人は
まだ それが可能だと思い込んでいるからなんだよ。

それは あなたじゃない 
あなたの殻だよ
昔に作り上げてしまった 
あなたの殻だよ。

それを あなただと思い込んでしまっている事に
気づいて欲しい・・・。


殻とは
ふりの機能
演技の機能をする「偽装」だ。

それは あくまで作り出したもので有って
その殻自体には
生命など宿っていない
使われるべき道具の方であって
あなたじゃない。

道具自体を あなたは
あなたと思い込んでしまっていた。

その道具を使いこなす主人の方は 
他にちゃんと居るんだと言う事を忘れてはいけない。  



















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  人間物語 の メール講座   NO10
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彼の話しに再び戻ろう
彼が10歳の時に 父親の元に引き取られたそうだ。

それからの彼の生活は
孤児院の生活以上に大変だったと言う

兄弟達は一番大切な時期に離れ離れになっていた所為か
まるで他人の様な感覚で有ったと言うし
父親は 仕事を余りせずに お酒を飲んでは
賭け事に埋没して お金に困り 

その挙句
お酒を飲んでは 酔った勢いで暴力を振るわれ
自然に彼は 父親を憎み 
こんな人間にだけは 絶対に成るまいという
思いを彼の心の中に育てていった。

この様な環境に育った彼で有ったが
彼には友達が沢山居た
とても人気者だった。

と言うのは
彼は とても陽気で明るかった
彼の内側に潜む悲しさや寂しさを
彼は もう既に この頃には
完璧に外側には出さなかった
幼い頃に そんな事まで 彼は身につけてしまっていた。




ところが彼は言う
「僕には沢山の友達が居るけれど 本当に僕の事を
解かっている友達は1人も居ない」

彼は とっても淋しかった。
何故か?

本当は当然の結果だった
と言うのも
彼が本当の彼を見せない様に
明るく振舞えば 振る舞うほど

本当の彼自身から
自らの努力によって 
人を遠ざけてしまっていた。

これが彼にとっての最大の悩み
「いつも僕が寂しいのは どうしてなんだろう?」

簡単だよ
その明るさは 
寂しさを隠す為に 作り上げた 彼の姿だからだ。
本物の彼の姿では無いからだ。
そこに 幾ら多くの人に接して貰ったところで
誰かと触れ合っていると言う 満足感など感じられる筈は
無い場所だからなのだ。


だが彼自身 
その事に まだ気づいて居なかった・・・。 






そして 彼が丁度16歳になった頃
彼は一大転機を迎えようとしていた。
なぜだと思う・・・?
彼は恋をしていた。
それもかなり情熱的な恋だ。
それは 彼自身もビックリするほどの恋だった。
自分の中に それほどの情熱が有るなんて
彼自身にも信じがたかった。

だって それは それまでの自分をも圧倒してしまうほどだったからだ・・・。

彼が ずっと長い間 持ち続けなければ成らなかった その
淋しさを 初めて理解してくれる人が
自分の目の前に現れたのだ。

あの大好きだった母と別れて以来の淋しさ
そして 孤児院で鉄火面を被って以来 隠し続けて来た
自分を ようやく 鉄火面を外して 化粧抜きの素顔で
接する事が出来る相手が現れた・・・・。

この時 彼は気づいていなかった事実が
もうひとつ有った。

それは もう 仮面を被り続けて居る事の
限界が来ていたのだ。

自分の内側は淋しい 
そして自分の外側である
彼を取り巻く周囲の人のする事や 
その環境の中で起こる事が
余りにも過酷過ぎて 
彼は その一切に嫌気がさしていた。
何もかもから抜け出したい
そんな時期だった・・・。


そんな彼が恋に落ちたのは当然の事だった。
ごく自然の成り行き。
もしも そう成らないとしたら
彼自身が破壊されてしまう
狂人と化してしまう・・・。

彼は その何もかもから抜け出したいと言う
一切のエネルギーを 
その彼女に 
その恋に注ぎ込んだ

そして それは 彼にとって今迄に経験したことの無い
余りにも素晴らしい彼女との出会いだった。
今迄の 悩みや苦しさも 何もかもが吹き飛んだ。

彼女の事を思い描いただけで 1日が素晴らしい。
訪れてくる 朝が 昼が 夜が 楽しくて 美しい。
何もかもが一変してしまった。

自分の人生が
こんなにも素晴らしいもので有るのを
今迄 どうして気づかなかったのか?
まるで世の中全体が
起こる物事の一切が
彼自身を祝福しているかの様に感じられた。

彼女と ただ一緒に居るだけで楽しい。
それ自体に喜びを感じられる。

そして まったく ひとつに
溶け合ってしまっている 彼と彼女の間には
時間も空間も作用しない。
またたく間に時がすぎる。



ホンの5分と感じていたものが
二人が見つめ合っているだけで
実際には6時間もの時が過ぎている。
たとえ離れていても
いつも一緒に居る彼女を感じられている。
彼にとっては 素晴らしいなどと言う言葉などでは
言い表せない程の事が起こっていた。

そりゃそうだ
彼は 気づいていないけれど
彼に起こった事は 素晴らしいはずだ。

何故なら 彼の殻を 彼の鉄火面を
彼女が完全に打ち破ってくれた。

いや そうじゃない
正確に言うと 完全に打ち破らせる
手伝いをしてくれた。

それによって 彼は 殻の外に出る事が出来た。
だから あれ程の事を感じる。

まるで世の中全体が
祝福してくれているかの様に
感じられるのは 当然だ。

一見 愛によって 
全てが 成されている様に感じられるけれど
それは正確じゃない。

そう確かに愛する事によってだけれど
それによって 彼が 殻から抜け出たからこそ
鉄火面を脱ぎ捨てたからこそ
世界が一変した


ただ単に人を愛しただけでは
彼の体験した様な事は起こらない。


言うならば
彼の愛に対する姿勢が良かった。
それでこそ愛は起こった。

何も そんなつもりは無かったけれど
そうなってしまった・・・。

これが起こる事であり

最初から "こうしよう"と計算してやったもの・・・。
これが起こしたもの

前者は自然であり 
後者は作り出したものだ

あくまでも
本当の愛は起こるものであり
起こすものじゃない。

そして愛は 自然を好み
自然の上に 落着する・・・・。 






















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  人間物語 の メール講座   NO11
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◇愛の終わり◇

彼にとって 素晴らしい2年は
まるで夢の様に去って行った。

彼は18歳に成っていた。
その頃
彼には予期もしない 彼女との別れが迫っていた
と言うのは
まだ幼い彼等 学生であった彼等2人の間に 
親達が立ち塞がったのだ・・・。

それでも最初の内は
その親達の目を盗み 彼等の愛は続いていた。

ところが それも発見されてしまい
それ以来 彼女の方には
親がピッタリとマークする様にまでなってしまい
学校にまで送り迎えをする始末だ。
何と言うことだろう・・・。

親とは 本当に勝手なものだ
親の方で そうなる様に 仕組んでおいて
いざ そうなると 
前に立ちはだかる
その上を知らずに歩く子供は
悲劇そのものだ。
何故なら
本来 親によって満たされるべきものが 彼、彼女には
今日まで満たされて来なかった


その満たされて来ていない想いを 淋しさを
愛に対する 愛への渇きを
たまたま出逢えた者へと向ける・・・。

その愛が起こったのは 当然の結果だった。
彼等が そうやろうとして やった訳じゃない
なのに それを阻まれる・・・。

その愛への渇きは 当然どこかで満たされなければ
いつまでも いつまでも ずっと続く事になる。

あなたが親ならば 聴いて欲しい
もしも あなたの子供達が 
これと似たような事を していたり
酷い悪さをしているとしたら
それは親で有る あなたに原因が有る。

つい最近
ある母親から 似た様な相談を受けた時のこと
「最近 娘が学校へも行かずに 私達に反発ばかり
してくる。時には部屋中の物を壊しては 私達 親を
驚かせている。 この娘を何とかして欲しい」と言う

その母親と話していると
「自分は今日まで娘の言う事なら何もかも聞き入れて来て
いる。そこまでして来ているのに 娘がこうなってしまった
のは 私達には解からない」と言う

私は その母親に 本当に娘さんを 
何とかしたいのかを尋ねた。 
すると母親は当然のごとく
「何とかしたい」と言う返事を返して来る




そこで私は 
「ならば まず お母さんである 
あなたから 私の所で"自分の心の育て方"について
少しばかり勉強をして欲しい」と言ったところ
お母さんは たちまち言葉を濁してしまい そういう
事なら辞退すると言う始末だ。

私は その母親に告げた
「今の そのお母さんが原因です」
娘さんは あなたに あなたの本当の愛を求めているのに
あなたときたら お金や形で済ませる愛情ばかりを与えている。
一番簡単な 別に あなたじゃなくても 
誰か他の人でも与えられる愛情ばかりを与えて来ている。

娘さんは 小さい頃から あなたを見てきている
そして ずっと あなたに
真の愛情を求めてきている。

その求めているものを得られない子供が
15年分の満たされない気持を発散させるのに
部屋中の物を壊すのくらい何でもない
まだ可愛いものだ。

あなたの 形ばかりの愛を見破っている
本当は自分の事など愛していない事を
彼女は見破ってしまっている。
彼女の求めているものは
あなた自身を賭けた愛だ・・・。

あなたが 自分の事など捨てても
相手を思える そんな愛を
彼女は求めている。




我が身を 捨て去った愛
我が身を 捨て去った この愛の
1番に起こる可能性の ある処とは 
母と子の間だ。

その間にさえ この愛が芽生えていないとしたら
あなたは 世の中の誰も愛してなどいない。

いつも あなた自身の事を 
1番先に考えた愛だとしたら
それは利己的な愛だ

その様な愛の上には 必ず終わりが来て
あなたは 苦しむ事になる
あなた自身にも 相手の上にも
必ず傷を残してしまう。

そして 世の中で言う愛は
この利己的愛を 脱していない。

自分の本能を 満たす為の愛
自分だけを 満たす愛だらけだ
皆が自分を守ったままで 
愛の中へと入っていく。

愛の中でさえ 自分の守りを捨てられないでいる。

愛は人を縛る事ではなく自由を与える事だ。
相手が自分の思い通りに成ってくれないと悲しんだり
嘆いたり 苦しんだりするけど そんなのは愛じゃ無いよ。

その相手の事を 知らない内に
自分のものの様に思えてしまったり感じてしまったり
していると そうなってしまう。


あなたは とんでもなく
傲慢な考え方の持ち主に成ってしまっているんだ。
あなたは 
相手を自分の思い通りにさせたいだけだよ
相手を あなたの奴隷にしたいだけだ
あなたが主人で 相手は奴隷
こんな関係を 愛と呼んでいる あなたは
なにか大きな勘違いをしてしまっている。

自分の物と言うのは
自分の思い通りに成るのが当たり前で
もしも そう成らなければ腹が立つ
悲しいけれど これが現実の親子や夫婦間の意識だ

そして 
まだ法的には 縛られていない
恋人達の意識は
相手が自分の思い通りに成ってくれないと悲しんだり
苦しんだりしてしまう。

この相談は親子の関係だ
親は気持の深いところで
子供を 当然の様に 自分の所有物だと思っている為
自分の子供を愛する事さえ出来ないでいる・・・。

多くの子供達が幼児期に
親に対して 何らかの 恨みや憎しみを抱いてしまうのは
その まやかしの愛の 所為だ・・・。

そして その憎しみや恨みは 少し前の時代までは
学校や社会から教えられる道徳や理性と言う
( この道徳や理性と言う フィルター作用は 
今の時代は機能が鈍化している様に見えるし世の中の
荒廃ぶりを 感じられる人も多いと思うけれど 
この荒廃ぶりは 決してマイナスに成るものでは無く
今後の世の中が更に荒廃し悪化して行く兆候などという
ものでは まったく無いので御安心を )
道徳や理性と言う 
もっとも つまらない物によって
心の無意識層へと
深く押さえ込まれてしまう。

その恨みは はずされるべきものなのに
はずされるどころか埋められているだけだ
誤魔化せば誤魔化すほど
余計に 厄介な物に成って来る

何故なら
それは本人さえも 通常では 
自覚出来なく成ってしまっている。

外側から与えられた物が 奥へと押し遣った為
本人の一部と化し そこに根付いてしまう。

怒りや憎しみと言うものは
本来 あなたに 属するものではなく
外側から あなたが 内側へと取り込み
それを土中深く埋め込んでしまった為
一見そこに無いように感ずるが
ある状況が起こると それは まるで
火山の様に 大爆発を起こす。

抑えられないほどの 怒りや 恨みや 憎しみが
その大爆発だ。

まるで違う誰かの様だ
自分なんかじゃない 自分などとは思いたくない。

だって普段の自分とは まるで違う
そう安心しなさい
それは あなたじゃない

しかし普段の自分と比べて
あなたは 自分じゃないと思った
それは間違いだ。

だって普段の あなたは それよりも
もっと掛け離れた あなただよ。
理性とやらで 自己を保っている あなたは周囲との
社会生活を営む上で
これは こうしてはいけない
あれは あーしてはいけないと考えてコントロールしている
そんな あなたも あなたじゃない。

だって もしそんなのが あなただとしたら
あなたと同じ人が沢山居るよ
周りを見てごらん 一山幾らという感じだから。

あの火山の 土中深く 大爆発の もっと深くに 
あなたは居る。
私は それを知っている。


さあ彼の話しに戻ろう
彼は苦しんだ。

今迄 毎日の様に逢えていた彼女に逢えない
今や彼女無しに見る世界は
真っ暗闇で 太陽の陽射しさえも届かない暗黒の世界に
彼は居る様だった。

あんなに楽しい日々は もう今は無い

そして決定的な事が起こった。
町の中で 偶然 彼女とバッタリと出会えた
ところが彼女は彼を無視して
逃げる様に その場を 去ってしまった。

彼は落胆した。
もう生きる望みは無い
彼女は彼の命だったのに・・・。

逢えないだけでも辛い思いをしていた彼なのに
愛していた彼女にまで冷たくされてしまった・・・。
最後の頼みの綱がプツンと切れてしまった。
この彼の落胆ぶりは丁度 そんな感じだった。

最後の望みが 絶たれてしまった彼は
当然の様に死を選んだ。
薬局に行って睡眠薬を購入し
2・3日の間は彼も迷った
だが彼は決行した。
彼の その時の考えはこうだ
「毎日 毎日 苦しすぎる 死んでしまえば この
苦しさから解放される。もう これ以上 苦しみたくない」

私には解かるが 彼には解からなかった事が ひとつ有る

彼はこの頃
来る日も 来る日も彼女の事ばかり考えていた 彼の頭の
中は 彼女の事だらけだった。
「彼女は今頃何をしているのだろう?誰か他の人を好きに
なってしまったのではないか? 嫌 そんな筈は無い
あんなに僕の事を愛していると言っていたんだ」
もう一種のノイローゼ状態だった。

そして彼女に無視された現実・・・。

それまでは頭の中で考えているだけだったが
目の前に自分の悪い想像と 結びつく現実を 
目の当たりにして 彼は どうにもならなくなった。



愛は終ってしまった。
彼女は彼を好きでは 無くなってしまったという事を
認めたくなかった。

これを認める苦しさから逃げたかった。
こんな事を認めてしまったら 何もかもが無くなってしまう
この苦しさから逃げられるのならば
まだ死の方が よっぽど良かった。

その夜 彼は家族のものに
「疲れたから早く寝る」と言って 
薬を飲んだ。
どれだけ飲めば死ねるのか解からない彼は
50錠入りの睡眠薬を 全部飲んでしまった。  






















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  人間物語 の メール講座   NO12
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50錠も飲んだから 堪らない
彼は ものの1分も立たないうちに
頭はもうろうとして ベッドに倒れ込んだ
遺書を書き残すつもりでいたらしいのだが 
それすら 書けずに 彼は眠り込んでしまった。

その夜 50錠もの薬を 彼の身体は受け付けず
彼の眠っている間じゅう 彼の身体は必死で戦い続けた。

身体の各所に 危険信号が発せられ
彼の身体は 彼が眠っているのにもかかわらず
彼の意思など無しに
「身体」それ自体で身体を助けようと一生懸命だった
彼の身体は 彼自身は眠りながらの状態で
朝方まで 何度となく 薬を体外へと吐き出し続けていた。

そして早朝 父親は 昨夜から 
苦しそうに何度も吐き続けていた彼を
病院へ連れて行こうとして驚いた。

彼の顔は 土気色をしていて眠り続けたまま
声を掛けても 揺すっても 返事が無い
ベッドの上の睡眠薬の空き瓶を発見して 
初めて 事の重大性に気づき
あわてて 近くの病院に運んだ。






ところが その病院では応急処置しか出来ず
直ぐに救急車で大病院へ
しかし その車中では 患者の様態の確認の為
瞳孔反射ということをするのだが
(目にペンシルライトで光をあてる)
瞳孔が開いたままで
殆ど反射が起こらない状態であった彼を見て
救急隊員が「もう駄目かも知れない・・・」などと
言っているのを聞いて 
父親は生きた心地もしなかったらしい。

病院に着いた彼は すぐさま 胃洗浄を受け
胃の中の物を すっかり外へと 吐き出さされた。
後30分の命だった・・・。

身体へ回った薬の為に 彼は丸2日間 眠り続けた

彼の意識が戻った時 
真っ先に目に入った天井の違いに気づき
始めて助けられた事を知った。

そして 彼のベッドの周りには 父や兄弟の
心配そうに見つめる姿が有った。

彼は父親に殴られると思っていた。
なぜなら それまで彼が悪い事をした時には
必ず父の鉄拳が飛んで来たからだ。
だから 彼は覚悟をしていた。

ところが父親は そうはしなかった
それどころか 目にいっぱいの涙を浮かべ
「お前が こんな事で死んでしまったら 
俺はどうやって お前の お母ちゃんに
詫びたら良いのか 解からない」
と そこには 彼が これまで見たことのない
必死で我が子の命を 祈り続けた父の姿が有ったのだ。
この父の姿は 効いた・・・・。
彼には殴られる以上の効果が有った。

この父の姿を見て 父の言葉を聴いた 
ただ それだけで 
自分の事しか考えて居なかった自分に
気づかざるを得なかった程
この時の父の姿と言葉は 彼には効いた。

翌日 病院を退院し
家路に着く彼の見た外の景色は
実に素晴らしかった。

5月の中旬で その季節の
風が彼の頬を撫ぜて
緑の新鮮な匂いや
新緑の若芽達の息吹が感じられる
それらと共に 彼は自分が生きている事を
初めて感じ取れた。
「若芽の 黄緑色の 若葉が目に沁みる 
空が真っ青だ 生きていて 本当に良かった」

彼女が居ないのに 彼1人なのに それが感じられる
彼は その道々 色々な事を感じ取っていた。
「自殺というのは逃げ以外の何物でも無いんだ 
自己逃避だったんだ 僕は もう二度と逃げないぞ。
どんなに苦しくても絶対に逃げない!」
そう・・・彼は 自らの体験で完璧に理解した。
それは 命を賭けた理解だった。



彼は この日以来 完全に別人になってしまった。
死の淵まで行って 引き返して来た彼は
まったくの 別人になってしまった。

それからの 彼の生き方は ガランと変わった。
それまでは何をやるにしても 
余り努力と言う事を しなかった彼が
その日を境に
全てに努力をするような生き方に変化した。

そして努力をすればするほど
成果が上がってくる
彼は面白くて仕方が無かった。

自分が こうしたいと思った事に対して
100パーセントの努力をすると
必ずと言っていいほど
彼の思い通りに成っていった。
彼は もう有頂天だった。

だって そうだろう
あの 辛いことだらけの 
幼い頃からの 彼の人生が
彼女を失った 失意のどん底から
立ち上がった日を境に
一変してしまったからだ。

私は それが 何故かを知っている。
彼には まだ この時点では
気づけていない事が有る。
それは 彼が幼い頃から 背負って来た 重い 重い荷物を
彼は 彼女に出会うことで 全て降ろせた。
この荷物を 降ろさなければ
そこに愛は芽生えなかった。

彼は荷物を降ろした。
要するに それまで着ていた殻から抜け出た。
荷物とは 本当は この殻の事だった。


そして愛が起こり
夢の様な日々は過ぎ去り
愛が終わり
彼女を 失った時
彼は 彼女を失った事を 認めようとはせず
それを認めるくらいならと 死を選んでしまった。

なぜ 彼は そこまでの事をしたのだろう・・・?

それは こう言う事だ
彼は 彼女との 愛の中において
まったく 新しい自分を発見していた。
殻から抜け出ている自分
その自分の爽快感
その自分の楽しさ

愛をきっかけに 以前の冷たく重い自分は 
まったく過去のものと なっていた。
その愛の中で生まれた 新たな自分は 
彼女が与えてくれたものであって 
彼女を失う事によって 
新たな自分さえも失ってしまう気がした。

もう あんな昔の自分には帰りたくないし戻りたくなどない
今の この新たな自分が無くなってしまうという事は
昔の 惨めな自分に戻るという事だ
そんな事よりは 死の方が まだ ましだ!
その結果 自殺を選んでしまったのだが・・・。
事実は違う。

彼女は 単に手を貸してくれただけであり 
実際には 全部 彼自身が起こした事だった。




だから彼女を失ったところで
本当は 無くしてしまうものなど
何 ひとつ無かった
むしろ この事実に気づく事が出来て
たった独りでも 新たな自分は失われないという事を
発見し 軽やかに歩んでいく事が出来たろう。

だが ここまでの事に気づくのは非常に難しい。
何故なら 彼は 彼女によって
こうなったと思い込んでしまっている。

彼自身が 彼女に対して開いたから
彼女は 彼を 理解できた。
別に 彼女だけが 彼を 理解できる 訳ではない。
本当は 彼が開けば 誰もが彼を理解する事ができる。

だが 彼は 自分を理解できるのは
彼女だけだと思い込んでしまっていた
それは初めて 自分を 理解して貰えたからだ。

けれども 彼女が彼を理解する事が出来たのは 
あくまでも 彼が開いたからだ
彼が初めて開いたからだ
それは 彼自身のした事だ。

これらの事実に気づいていない時の 愛は苦しい。
彼女を失うと言う事は
自らも失ってしまうと言う事に繋がるからだ・・・。

だから 彼女を絶対に失いたくなかった
もしも失ってしまった場合には「死」しかない

だって彼女を失ってしまったら
それだけで その愛の中に居た 新たな自分も
自動的に死んでしまうことになる。

彼は病院から退院した時に
半分だけ それに気づいていた
空の青さ 木々の緑 頬を撫でる風を感じて
自分が生きている事を感じ取った時に
半分だけ気づいた。

半分だけ気づくというのは
夢を見ているような感覚が半分だ

それは その時は 確かに ハッキリ見える
だが 夢と同じく すぐさま忘れ去ってしまう
消え去ってしまう。

彼のが丁度 似た様な感じだった
今 現在リアルなのは
この風であり 木々の緑であり 空の青さなのに
彼の全身で感じている この感覚こそが 全てであるのに
そこに 今は もう終ってしまっている 過去の記憶が
邪魔をする。

過ぎ去った日々は
もう 既に消え去ってしまい 二度と帰らないものなのに
それを 彼は必死で 忘れようと努力してしまう

これは無理だ
記憶は記憶で現実じゃない
もう既に終ってしまっている事
その現実は もう遠い過去という時間の中に
流れ込んで行ってしまった事を 知るだけで良いのに

彼はそれらを 心の中に しっかりと仕舞い込んで
再び それを消す為の旅に出てしまった。
目の前に有ることに 夢中になる



夢中になれば なるほど
心の中に有る事を 忘れる事が出来る
彼は こんな生き方を開始してしまった。
形の上では確かに変わった
だが 私に言わせれば 全然 変わっちゃいない
流れは同じだ

だって 彼女と出逢った時
それまでの 全てに嫌気がさしていて
それらを忘れる為の物が 彼女との愛だった。

今度は その愛で傷ついた自分を
忘れる為に 何かに熱中する。
彼は 愛の後 ひとつのテクニックを身に付けていた。

目の前にある物事に熱中する
それに熱中している間は
何もかもが 忘れられる。

愛を通して 彼は 努力を学んだ
物事に 熱中することを学んだ
だが その努力の質は 少しばかり問題だ

なぜなら
何かを忘れる為に熱中する 努力する
本当は努力をしたいんじゃない
熱中したいんじゃない
彼のそれは 過去にあった
一切の嫌な事を忘れたいんだ
それが彼の 努力の 熱中の下に隠されている目的だ

あなたは酒乱の人の事を知っているだろうか
酒乱の中の多くの人達に見られる傾向は
彼等は お酒が好きなわけじゃない


お酒を飲む事に 何か別の目的が有る。
お酒を好きな人は 美味しく 楽しく飲む
好きな人は 楽しむ為に 飲んでいるから
大した量じゃない

ところが酒乱の人ときたら
自分が解からなくなるほど飲む
自分を忘れたい
嫌な事の一切を忘れたい。

これが目的だから 飲む量も半端じゃない。
その人達は 自分の過去に 
忘れたいほど嫌な体験や 悲しい思いが有る人達ばかりだ。

その証拠に 過去の嫌な体験が 癒され 消え去ると
その人達は 元々 体質的に 
お酒が身体に合わずに飲んでいたは人は 
一滴も飲まなくなったり
身体に合う人でも 自然に適量に変わっていってしまう。

酒乱の人達は
お酒で忘れようとする・・・。
彼のは 目の前にある物事に
熱中する事で 忘れようとする。

どちらも同じだ
何かによって酔っ払う
愛で酔っ払う
SEXで酔っ払う

本当は それ自体をしたいんじゃない
それをするのは 何か別な目的が有る その為にする

その目的は 一切の嫌な事を忘れたい
ただ それだけだ。

なのに 世間の人達は
酒を飲み 嫌な事を忘れ様とする 酒乱の人達を悪く見て
凄まじい程 努力する事によって
嫌な事を忘れようとしている仕事埋没人間を
良く見てしまう。
だが摂理は 世間の人ほど 
寝ぼけた目は 持ってなどいない
この どちらの人の上にも
破壊をもたらし
その行為をストップさせようとする。

その馬鹿さ加減を
目覚めさせようとする。

事実 彼にも それが起こった。
そんな生き方をして
丁度10年後に
それは 起こる事になる。


















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  人間物語 の メール講座   NO13
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◇第1の智慧への目覚め◇

真の愛を探し求める心の旅の第1歩

嫌な事を忘れる為に
何かにつけて 目の前に有る 物事に対して
熱中する生き方を 身に付けた彼は 22歳になっていた。

彼は19歳の時に知り合った女性と
二度目の愛を経験し 22歳で結婚した。
この愛も 彼は激しく燃え上がった
どうも 彼は激情するタイプの様に見える・・・。

だが 彼が ちょっぴり大人に成れた所為か
以前の愛の体験で苦しい思いをしていた所為か

この愛が終りかけた時 
彼は 以前と同じ様に 
再び"死"に 逃げる事をしなかった。

何となく 
逃げれば 再び この愛で傷ついた思いを
胸にしまって 引きずり続ける事を
以前の体験から学び取っていた彼は

そんな思いは二度とゴメンだとばかり
もう その愛は終わってしまっていて
自分が嫌われているのにも拘わらず 彼女に迫った。
電話を掛ければ切られるし
手紙を出しても返事は来ない
もう彼の心と来たら落ち込みっぱなしだった・・・。

ところが彼は それでも諦めなかった。
非常に執念深い男だ 
今ならストーカー行為で捕まっているよ。

彼は自分が諦めない限り
その事は絶対に終らず
いつか必ず成果が上がる事を
色々な物事を行なう度に 体得していた。

だから彼は 自分が傷つき 
苦しくて 諦めてしまう事が先か
彼女が こちらを振り返ってくれる事が先か
もう自分との戦いだった。

彼女の事は 単なる口実であって
もう そんな事は どうでも良かった。

「ここで苦しくて負ければ 逃げれば
今迄 あの最初の失恋の 
どん底から 立ち上がった日 以来
物事に対して 決して屈服せずに 勝ち続けて来た
自分が無くなり
ずるずると 以前のような 負け犬に成り下がる
そんな事だけには成りたくない。
それを 考えたら 苦しいのぐらい
屁でもない。
俺の辞書に負けは無いんだ 負けは許されないんだ」

まるでナポレオン気取りだ
こんな彼に 見込まれた 彼女は憐れだ・・・。


とうとう彼の熱意に 彼女は負けてしまった。
そして結婚したのが
彼が 22歳の夏だった。

彼女と結婚する事が出来た彼は
此処までの思いをすれば
何でも自分の思い通りに成るんだという考えを
より強めてしまっていた。

結婚後 4年たった 彼は
有る会社の営業部長になっていた。
その時 彼は26歳 彼は ある信念を持っていた
その信念とは こうだ

「努力しなければ 世の中 出来ない事だらけ
努力をすれば 世の中に 出来ない事なんて
何ひとつ無い」

その頃の彼は まるっきりの ツッパリ人間で
怖いものなど 何ひとつ無かったし自分に出来ない事など
何も無いと本気で思い込んでしまっていた・・・。

ここまで自信を持ってしまう人間ほど
世の中に 害毒を流してしまう人間はいない
彼も 御多分に漏れず その中の
1人の人間に成っていた。

ところが 困った事に 
彼自身は そんな自分に満足をしてしまっていたのだ。
彼は 結婚した時に 有る事を決めていた。
精神的な愛情ならば
いつでも上げられるが
彼自身が 幼い頃から 
嫌な思いをし続けて来た
物質的な愛情を与えるには時間が掛かる
まずは この物質的な愛情を与えるのが先だとばかりに
単純計算で
仕事をバリバリやれば 役職が上がる


役職が上がれば 当然 給料も上がる
自分が大変なぐらい 何でもないと
彼は バリバリ仕事をこなして行った。

そして 結婚4年後の 彼の生活は こうだ
いつも帰宅は 午前2時から4時
明け方 7時には目を覚まし
30分の朝食の後 会社に出勤し
仕事 仕事 仕事

家に帰ってきても仕事の事が
頭から離れていないから
まるっきりのビジネスマシン

おまけに電話も入れずに
平気で2・3日も家を空ける始末
休みは未定の3ヶ月に1度くらい

更に彼は 平気で こんな事を
言う様に成っていた。

「俺は役職も手に入れた 給料だって こんなに良く成った。
だから妻を幸せにしている。こんなに汗みどろになって 妻の為に
働いているのだから まさか文句など無いだろう。
普通の人達だって ここまでの事は出来ない。
でも俺は1番 時間が掛かる 誰にも出来ない事を
こんなに大変な思いをして お前に与えているのだから
俺の愛情こそ 本物だし その愛情を解かれ」

などと言っていたし 
本気で そう思い込んでいた。
そして1番大変な思いをしているのは
自分だけで妻のことは幸せにしていると信じて疑わなかった。
自分を犠牲にしてまでも
相手を幸せにする。

これが もっとも深い
愛情表現だと思っていたし
事実 彼は妻を愛していた。

だからこそ こんなに過酷な生活が
続けられたのだ。

その頃の 彼は 人に
「あなたにとって もっとも大切な人は 誰ですか?」と
尋ねられると 胸を張って「会社の社員達です 私の部下達です」などと
本気で答えるほど 仕事だけに埋もれきってしまっていた。

仕事以外の一切は
全て無意味な物として
彼の目には 映る様に成ってしまっていた。

彼の 答えの理由はこうだ
社員達が いるからこそ 会社が有って
その社員達が 頑張ってくれているからこそ
給料が貰え 

彼も妻も生活をしていける
だから 社員達が1番大切だという理屈だった。

彼は ある機会に恵まれて
初めて 
それまでの全てが
間違っていた事に気づくことになる・・・。




















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  人間物語 の メール講座   NO14
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自分にとって大切な人とは
イコール 自分を大切だと思ってくれている人に
気づかなければ 解かるものではない。

頭とか 理屈の上での 解かり方など
まるっきり 解かってなどいないんだと言う事を
彼は 初めて理解できた。

彼にとって もっとも大切な人と言うのは
より身近で 彼の身近すぎて
すべてを当然の様に 考えてしまっていた 
妻であった。

妻の事は大切に出来ているという
彼自身の 決め付けによって
まるで見ようとはしていなかった。

この頃の彼は 知らず知らずの内に
自分の私利私欲の為に
社会的な地位や名誉を追いかけ

「会社の為に 社員の為に 妻の為に」と
言う 大層な掛け声は 大義名分と成り下がり 
実際には自分の評価を上げる為だけに
懸命になっている人間と化してしまっていた。

そんな 現実の彼自身に気づけず
自分は こういった人間なんだと
彼自身が 考えている自分像との間に
大きなギャップが出来上がってしまっていた。

あなたも 彼同様に
自分自身の姿を 見誤ってしまっている。

あなたが考える
あなた自身の 自分像と
現実の あなた自身の間には
大きなギャップが有る
それを あなたは知っているだろうか・・・?

多くの人達が
この もっとも初歩的な事実を
知らない為に 悩み苦しむ
この事実を知らない為に
あなたの心の中には 様々な不安が生じてくる。

これから話し続ける事によって
私が あなたを連れて行きたい処に至る為の
最初の扉が 此処だ。

あなたが あなた自身を知る為の
最初の扉が 此処だ。

だが これは あくまでも第1歩目の扉だ
この程度を 知ったからと言って
ここで 良い気持になったり
立ち止まったりしては 駄目だ




ギリシャの哲人ソクラテスが
あれほど 学びに学んだ人が
有る時に 見い出した事実
彼は この事実に気づいた時に こう言っている

「私は 今迄 あらゆる事を知っていた 知れる限りの
事を 知り尽くしていたと思っていた。 
だが私は 今初めて知った。 私は何ひとつとして
知らなかったのだ」と・・・・。

これを聞いた 弟子達は 非常に驚いた
そして我が耳を疑った。
あれ程までに 物知りの先生が
「私は何も知らなかった事を 知った」と言う
弟子の彼等には ソクラテスの言った
この言葉の意味が理解出来なかった
とうとう 先生は 頭に来てしまった様だと
弟子達は囁き合った。

だが違う
この時 ソクラテスは 人間の知る事の出来る
もっとも偉大な智慧の道が続く
扉の前に立っていた。

その道とは
多くの賢者達の至った道だ
あのイエスの あのブッダの 至った道だ。

この道の最後には
ブッダの イエスの入り込んだ 
溶け去った 空間が有る
大いなる空間

何者も汚すことの出来ない
絶対なる空間が有る。

それは 宇宙の様に
果てしなく広がる 無限の空間だ。




そこに至った者達を
人々は神や賢者と呼ぶ
何故なら 
そこに至った者達は
その空間 そのものに成ってしまうからだ。

そして あなたにも あなたの周りの誰しもが
そこに至る事が可能だ。


だが道は 非常に見えにくい
その道には 段階が有る。
慎重に根気良く歩まなければ
あなたは すぐさま道を 踏み外してしまう

ブッダやイエスの溶け去った空間には
祈ったり荒行をしたりして
辿り着ける事など 有りはしない。

そんな事をして
そこに至った例は 今迄には無い。
違う もっと別だ

だいいち その道は 何も 特別な人にだけ
許されている道ではなく
全ての人達に可能に成っている。

ブッダやイエスの指し示している道は
非常に簡単だ
それは簡単すぎると言っても良い
だが あなたが
余りにも難しく生き過ぎている為に
それは難しく見える。



だから きっと
あなた達に話すより
彼等の話しは 
子供達に向かって話した方が
もっと すんなり理解できる事だろう

何故なら
子供達は まだ それほどまでに
難しく生き過ぎていないからだ。

まず あなたは それほどまでに
難しく生き過ぎている 自分に気づき
その こんがらかった糸を
一本の糸に紐解く事から
始めなければならない
それが 最初に踏まれるべき 第一歩だ。


あなた自身の現実の姿は
一体 どんな姿をしているのだろう
ちょっと あなたの周囲を見渡してごらん
あなたの日常の人間関係を

その中で あなたが 
もっとも鼻につく人物
あなたが 近寄りたくない人間
それが あなただよ!

或いは 1人1人の人間の中に
見い出してしまう あなたの 最も嫌う部分
それと同質なものを あなたも持っている。
あなたは あんまりだと思うだろうが
それは 紛れも無い事実だ。



あなたの中に それと同質な部分が有り
あなたは それを見せられると嫌う。
なぜか?
それは あなたの姿 そのものを
相手が映し出しているからだ。

ところが あなたは 
その事実に中々 気づかない

なぜなら あなたが考える あなたは
あなたが 常に緊張し 意識している時の
いわゆる周囲の目を 意識して作り上げた あなたを
あなたと思い込んでしまっているからだ。

けれども現実には そんな あなただけで
生きている訳じゃない。

あなたが気づかず無意識になっている時が
1日の中で 何度と無く有る
周囲には その あなたまでもが含まれて
丸ごと見えているという事に
あなた1人だけが気づかない。

あなたが嫌う人は
あなたが 無意識と成っている時に見せる 
あなたの姿を そのまま見せてくれる。

そして その相手も 又 無意識でいるから
あなたに 見られている事には気づかないままだ。

例えば
私が今 あなたの目の前に居て
あなた以外に 10人の人達が居たとします。
いいえ 100人の人達が居たとしても構いません。


そして 皆に ある約束事をして貰います。
「今から 私が あなた達の目の前ですることを
見たまま そのままに伝えて欲しい」と

更に「あなた方と私の間には 何の利害関係も
無い事にします。そして立場も同等な立場の人間と
いう事にします。くれぐれも見たままを シビアに
そのまま 伝えてくれる事を お願いします。
これを言ったら あの人が傷付きそうだとか 
周りの人達から 自分が悪く見られてしまうと
言ったような あなたの考えを入れずに
伝えて下さい」
と言ったお願いを前もってしておきます。

そして解かりやすく 私が10と云う度合いで
悪い事をする。

皆に聞きます。 
すると皆は見たまま私に伝えてくれるから
10人の人達であろうが
100人の人達であろうが
それは 同じ答えになる。

しかし 先ほどの約束事が無ければ
答えはバラバラに成ってしまう。

なぜなら それぞれの考えや
生き方が入ってしまうからだ。

ところが 先ほどの約束事が 有る為に
皆が見たままに伝えてくれる。
答えは ひとつに成る。
「あなたは10悪い事をした」
正解だ


そして 私は
「解かりました10ですね 
10悪い事をしたことを受け容れます」
けれども ここで問題が起こってしまう

私の心の中で自然に自衛本能という
自分を守ろうとするシステムが
働き出してしまうのだ・・・。
その結果10を 半分の5にカットして
受け容れてしまう
と言う事が起こっているのだが
本人は それに まったく気づかない。

これは実際に普段の生活の中で
私達が経験していることだ。
人からの指摘や苦言は とても聞き心地が悪い
それが半分の5にカットしている時なのだ。


今度はそれとは正反対に
10と云う度合いで良い事をする
先ほどと同じ様に 皆の答えは同じだ
「あなたは10だけ良い事をした」
と伝えてくれる
そして私は
「わかりました10ですね
10良い事をしたことを受け容れます」
と答える。
先ほどと同じ様に自衛本能が働く

自衛本能とは 文字の通り
あなたの心の中に勝手に働く
自分を守ろうとする本能だ
自分にとって都合よく働く本能だ

今度は良い事なので
10の度合いを 倍の20に増やして
受け容れてしまう。
これも普段の生活の中で私達が
自然に やってしまっている所を目に出来る。

人からの誉め言葉は とても聞き心地が良い
これが倍の20に増やして
受け容れてしまっている時だ
時によっては それを何度も思い出しては
味わい直す事まで やってしまう場合すら有る。

ここまでの事で大きな問題が生じてしまっている
事に気づいているだろうか・・・・?

それは 皆は 私の姿が 
テレビの画像を見る様に 
そっくり そのまま見える
シビアで ありのままを捉える事が出来るし
客観的だ。

ところが 私には 私の姿を テレビの
画像の様に見る事は出来ない。
どうしても主観的に成ってしまう。

皆が見た 私と言う人間は
先ほど10悪い事をして 10良い事をした
悪い事をマイナス 良い事をプラスとして見ると
プラス マイナス0と言う人間が 私だ
可も無し 不可も無しと言う人間が
皆に見えている 私の姿だ。

ところが 私は先ほど 悪い事をした時に
半分の5にカットして受け入れ
良い事を10した時に
それを倍の20に増やして受け容れていた
悪い事をマイナス 良い事をプラスとして
差し引きすると プラスの15と言う人間が
私が勝手に 受け容れてしまっている私だ

これは 現に あなた達にも 起こっている。

日常の中で自分への非難は 耳障りで
誉め言葉は聞き心地が良いと言う様に

ここには大きなギャップが
生まれてしまっている。

勿論
現実の私の姿は 皆の見た 
プラス マイナス0の姿が本物だし正しい 。

私の見たプラスの15の私の姿など
どこにも存在しないし 誰にも見えない。
そんな 私の姿が見えるのは
世界中で 私1人だけだ・・・・。

これは 何と言う事実だろう
今現在に 生きている本当の私の姿を
私は知らず 
私以外の周囲の 全ての者達が見えている。

そして 私に見えている 私は
世界で 私以外には 誰にも見えないし
実際には 居ない。

実際には 居もしない
我ならぬ 我をつかんで
私は生きている。
有りもしない 私像を
私と思って 生きて行く 生
そこには 様々な問題が生じて来てしまう。

あなたの知っている自分像とは
今迄 生きてきて 色々な体験や
人から言われた言葉を 通して頭の中で
イメージ化した自分だ。
イメージによって
頭の中に作り出している自分
あなた以外 他の誰も知らない自分だ
他の誰にも見えない自分だ

自分にとって都合の良い部分だけを見て
あなたの 頭の中に作り上げた自分だ
それはイメージであって
本当には居やしない

このイメージを通して全てを見ていると
あなたには 全ての物事は 歪んで見えてしまい
あなたに現実を見る事は不可能になってしまう。

それは 歪みきった事実が見えてしまう
歪みきった事実など
事実から 程遠いと言うのに・・・。

しかし あなたは それに気づかずに
その歪んだ事実に従って 手を打つ
一時的な解決しかされず 
根本的な問題は先送りにされたままだ
だから
再び同じ問題が発生して来てしまう。
何度も何度も同じ問題に対応させられ
あなたは だんだん 嫌気がさしてしまう。

そして それどころか あなたの周りにには
そんな問題が どんどん増え続けていき
あなたは 最後には逃げるしかなくなってしまう。


様々な問題や悩みに追いかけられ続ける生
その追いかけられている
不安を誤魔化そうとする為の生
そんな あなたに 
辿り着ける場所は無い。


これが今
世の中の多くの人達に起こっている問題だ。






















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  人間物語 の メール講座   NO15
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だから 
これほど多くの 自分を誤魔化す為の
道具が必要になる。
ゲームや 携帯や 出逢い系や クラブや 
なんやかやと言うものが
その不安を一時的に 掻き消してくれる。

そして個々においては 愛やSEXが
この不安を掻き消してくれる 格好の道具となる。

こんな あなたに本当の愛など
起こるはずも無い。

紛らわしの愛 
紛らわしのSEX
いつまでも同じ相手で居ると飽きてきて
紛らわす事が不可能となる

そこで あなたは 
次なる相手を求め旅をする
そして何人 何百人と相手を変えても
あなたは 絶対に満たされない。

だって道が違う
あなたは その不安に入って行って
その不安が何なのか どこから来るのか
調べ確かめるべきなに・・・。

あなたは ただ逃げ回ってばかりいる
あなたが 逃げ回れば 逃げ回るほど
その不安は より大きなものとなる
それは あなたが あなた自身の手で
大きくしてしまっている。

そして
その不安を紛らわせる為の愛
動機が間違っている
始めの第1歩から間違っている。

あなたが 幾ら 愛を求めたところで
真実の愛は 起こりはしないだろう
相手じゃない
あなたこそ 問題だ。

だって今日まで
何度と無く経験した 愛の中で 
あなたは いつも相手の責任ばかりに
して来たじゃないか
それでも 何も変化は無かった。

今こそ
あなたの問題を 問い始める時が来ている
そうでなければ あなたは一生
愛の浮浪者で終わってしまう事になる。

彼は 現実の自分自身の姿を見始めた
周囲の目から シビアに直視した自分の姿を
頭の中のイメージ化した自分など通さずに
見ることにした。

それは 中々自分で見ることは出来ない
代物なのだ・・・。
触れ合う全ての人に見えている 
生の自分とは一体 どんな姿をした自分なのか?


それは 自分にとって都合の良い部分も
悪い部分も無く 
全てに目を向けた時に
初めて見えてきた。

ここからは 彼の言葉をはさんでみよう
彼は言う
「私は人に理想を掲げては,ついてこさせ
本当は自分の評価を上げて行く為の道具にしか 使っていない 
腐りきった人間であった事
こんな人間に ついてくる人は いなくて当然な事。
そして 私一人だけが それに気づいて
いないだけで 周囲の人達には
それが筒ぬけに見えていて我慢をしてくれているのに
それを 一人隠し続けられていると思っていた 
悲しいピエロが 私だった事に 妻を通して 
始めて気づく事ができた」

彼は言う
「私は,妻になり 妻の一日の生活を
できるだけ正確に 生きてみた
妻は 札幌の生まれであり
近所には 誰一人頼る人はいない
これを 私は知っているつもりで
完全に 忘れていた。

職場で 気軽に友人を作れる私とは違う
明け方近くになって 馬鹿な私は
まるで当り前の様な顔をして 帰って来る。
いつも自分の仕事しか考えていないから
妻の気持などというものは
まるで わかっていない。
そして 朝7時 妻は昨夜も遅く
毎日2,3時間しか寝ていず
休みも満足に取っていない身体を気づかって
私を起こす。
ためらいながらも 起こす。

なのに 妻のこんな気持も 姿も見えない為に
さも 俺は疲れているんだとばかりの
顔をして 私は 起きてくる。

朝食のテーブルについてから
妻は私に 盛んに話しかけて来る。

やれ あそこの桜がきれいだとか
隣の何ちゃんが 大きくなっただとか。

しかし,この頃の私は
瞬間的に 自分にプラスになる話し以外は
一切 聞かない様に
できていたし

自分が知らずに
見下している者の話しは
こっちの耳から あっちの耳だった。

妻の話も まったく聞かずに
うるさいから だまっていてくれ
俺は 仕事で疲れているんだとなる。

妻は とても淋しそうな顔をするが
それが なぜなのかを わかろうとしなかった。

それどころか
なぜこんなに 夢中に話してくるのかも
わからなかった。

しかし
妻にとってこの時間は 1日の中で
1番大切な時間であり

この朝の会話は
私と話す事の出来る唯一の時間で
この時間をのがしたら
1日中 誰とも話せないどころか
夕食だって別々 休みはないと言うので
一生懸命だった。

それ程 妻にとっては
貴重な時間だったのである。

そして 夜になると
近所の家々から 笑い声がもれて来る
その笑い声を聞きながら
自分の淋しさを 誰にも話せず
一番 自分の気持をわかってほしい
夫にさえ わかってもらえない淋しさを
一人で我慢を し続けながら
たった一人で ポツンと夕食をとる
妻の姿が浮かんできた時に

私は妻に対して
何ひとつ していなかったどころか
この手で妻を 精神的に踏みつけにしていた自分に
やっと気づく事が出来た・・・。

小さい頃から 泣かずに育って来た 私も
この時ばかりは 大声を出して泣いた。

自分は 幸福にしていると思って
していた行動すべてが
自分の一番大切な人を

これ程までに 
苦しめていた事実を知った時
泣かずには いられなかった。

ただ ただ
自分に悔しくて 情けなくて・・・。

確かに 今まで 頑張って来て
役職も 金銭も得てきたが
失ったものが 余りにも大きかった。

かっては 多少なりともあったはずの
優しさや いたわりと言った
精神的愛情が ゼロに等しかった。

妻が 欲しがっていたものは
役職でも 金銭でもなく

時間など掛からずに 
今直ぐにでも出来る
「私の話を
昔の様な あなたで聞いてほしい。
月に一度でいいから
二人一緒に 夕食を食べたい」と
たったの これだけだった。

なんと 馬鹿な 男だろう
自分にもっとも 身近な妻の本当の
本心からの気持さえも
まったく 理解できない人間に
他の人達の気持など
理解できている訳がない。
この時の妻の言葉は
いまでも耳に残っている
「偉くなんて成らないで欲しい
毎日生活できる程度のお金だけあれば
他には 何もいらない」と言って
生き返った様な顔になった。



この彼の話してくれた事が 
事実 今 世間の多くの人達の上に
起っている事だ・・・。

ほとんどの人達が
自分のもっとも 大切な家庭を
そうとは 気づかずに 
1番 踏みつけにしてしまう。


家庭を破壊して行く事は
自分を破壊して行く事に 
繋がっているし 

最後には
仕事など出来なくなってしまう道を
歩んで行っているのである・・・。



















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 人間物語 の メール講座   NO16
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彼自身も あのまま進んでいれば
多分 家庭は 放壊していたことだろう。

これに気づかなければ
自分で 自分を 痛め続けて行ってしまう。

ところが
多くの人は この事実に目をそむけたまま
歩いて行こうとする。

知らず 知らずのうちに
人を見下してしまう 偉い人に 
成ってしまっている人ほど
この事実に気づけず
苦しみ もがく道を歩いて行く。

だが それは あなたが 好きで歩いて行っているんだ
わずかな 勇気さえあれば
この事実には 誰もが 必ず 気づける。

あなたは
そんな事を考えていたら
仕事など出来やしないと 思うかも知れないが

これは 仕事以前に
見ておく必要のある 大切な問題であるのに
あなたが もしも これを していないとしたら
あなたの 仕事の程度など知れている。
第一 あなたの未来は
破壊の 繰返しの輪の中から脱しえない。

そして 今より更らに
苦しくなって行く事を 
承知で 歩いて行くがいい。

苦しくなっても 誰の責任にも
しない事。

会社をやめて 仕事を変えたって駄目だ
それは大した役に立ちはしない。

だって
それはあなた自身に 原因があるのに
そんな事をした程度じゃ
問題は 解決しない。

それじゃまるで
他人に 間題が有ったかの様じゃないか。

あなたは
口先では 俺に問題があったと言うが
あなたの 取っている行動が
責任は 会社に有る 妻に有る
俺じゃないと 叫んでいる様に見える。

それでは 問題は解決できない。

問題を解決するには
あなたに
死ねるぐらいの 勇気がなければ駄目だ。

死ねると言っても
開き直りの死じゃない。
もう どうにも成らなくなったから
死ぬと言うのは 逃避だ
そう言った たぐいの死じゃ 駄目だ。

そんなものは
なんのプラスにも成らない。

そうじゃない!
この問題を解決するにあたって 
私は 命までをも 差し出す と言った方向だ。

今までの あなたの死
今までの あなたの 全てを賭けて
この問題と 取り組もうと言った
勇気さえ あれば
あなたは変身する。

あなたは 
リフレッシュされてしまう。

そして 此処が 
これから始まる旅の 第1歩だ。

現在のあなたを ありのまま見つめ
その全てを 受け入れる。

すると 同時に変身が起こる
あなたは リフレッシュされてしまう
素晴しい感覚がある。

あなたの変身と 同時に
あなたを取り巻いていた
世界までもが 変身する。

あなたは この世で
ただひとつの可能な道を 歩み始める。
絶対の道。
この道をおいて 他にはない道
最大で 最高なる道。

あなたが 何十年か前に 
現われ 出て来た所に
帰り始める道。

真理に出逢う道。

だが 
ここは丁度
道の始まりだ。

あなたは 今まで
長い事 生きてきて
やっと この道に辿り着けた。

まだ 先は長い。

だが
この道の 始まりに 
辿り着けた事を
祝って良い。

多くの人達は 
辿り着けないままに去る。

だが あなたは辿り着けた。
一息 入れていい。

それは 
価値ある到着点だ。

あなたの本性が
中々 言う事を 聞いてくれない
様するに 素直じゃない あなたを
ここまで 連れて来てくれた事に
感謝する事。

だって 
それは 至難の技だ
あなたの 本性は
ずっと ずっと 
それを 願っていた。

あなたの奥の 奥の
奥底からの 訴えだったし
願いだったところに
今 あなたは辿り着いた。
これは感謝に 値する。

そして
その道の 間違っていない事を
私が 保証する。

あなたは今 正しい軌道上にある
第1歩では 有るが
此処に 来なければ
旅は 始まり得ない。

そして
第二歩 第三歩 第四歩と 進み
あなたは 初めて
あなた自身の本性の誕生を
経験する事ができる。

くれぐれも 言っておきたい。
あなたの 誕生は 四歩目を超えた時だ
今のあなたは あなたじゃない・・・。
あなたじゃないものに
しがみ付いて いるのだから
死ねる勇気を 持てと言う。


そんなものは 死んだ方がいい
あなたじゃない あなたに しがみ付いていて
あなたと言う感覚を 与えているものが
死ななければ
あなたの本性の誕生はありえない。

この道の途中
あなたは 何度も何度も
頭を打ちのめされ
ハートを揺さぶられ
死と言う恐怖と 戦ってしまう。

だが
そんな時には 死を与える 
勇気を持ちなさい。
あなたの 誕生の為に・・・。

そして
この道を歩む必要性は こうだ
あなたの 肉体の誕生は
あなたの 知っての通り
あなたの 誕生日に起ったが

あなたの 本性の誕生が
まだ起ってはいない。

だって
あなたが「俺」は「私」は と言う時に
あなたは 一体 何を指して
「俺」は「私」はと言っている?
まさか この肉体は とは
言ってはいないだろう?
その「俺」はとか「私」はと
指し示めしているものこそ 問題だ。


私は 何度となく
死ねる勇気を持って
この道を歩まなければならないと言っている。

その死は
肉体の死を言っているんじゃない。

その「俺」の死だ
その「私」の死だ
その あなたこそ障害になっていて
あなたの本性は
日の目を見る事が出来ない。

私は その「俺」は「私」は の上に
死をもたらしたい。

あなたじゃないものを掴んで
「俺」は「私」は と言っている あなたは
まだ 目を 覚ましては居ない
まだ 誕生してはいない。

目を覚ましても居ない あなたは
あらゆる 馬鹿げた事をする。

それは 一種の気違いだ
あなたは 
自分で何をしているのかさえ 解らないし

そんな あなたの してきた事を 反省したり
責めてみたり 苦しんでみたりと
大して役に立ちもしない事を
しながら生きる。

だから
今度は もっと 馬鹿げた事をする


本当は 目覚めていない あなたが
何をしたところで
世の中に それを責められる人間など
誰も居ない。

だって
まだ あなたは 目が覚めて いないのだから
寝ぼけたままの行動
それを 責め裁ける人がいるだろうか。

そんなあなたが
例え 殺人を犯してしまったところで
それを 裁ける人は 本当のところ
世の中に一人もいない。

そして その「俺」が「私」が死ぬ時に
あなたの 本性の 誕生がなされる。

真のあなたの誕生は
今日までの 一切の汚れを
洗い流してしまう。

これこそ
イエスの言う復活だ。
ブッタの言う覚醒だ。

あなたは ようやく
第一の智慧に辿り着いた。


だが この道の終着点である
復活が 党醒が
起るまでは 歩みを止めては駄目だ・・・。  





















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  人間物語 の メール講座   NO17
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◇ 第二の智慧への目覚め ◇

真の愛を探し求める旅の第二歩
両親との出逢い


さあ 再び彼の話にもどろう
彼の生き方の質
彼を取り巻く 世界が一変した。

周囲の人達が とっても優しくなった
毎日が 楽しく変化を起こす。

ところが
この第一歩目の段階では
本当の 質的変化は まだ起っていない。

それは
現在の自己を 見つめただけでは
起らない。

まだ 浅瀬にいる
もっと 深みに達しなければ
以前と同じ
もとに 戻ってしまいかねない。

三ケ月位を 経ただろうか
彼は だんだんと
苦しくなり始めていた。



なぜなら
結果である 現在の自己を見つめたが
まだ その結果をもたらした 原因を
彼は 見つめてはいなかった。

原因が そのまま放置されていたら
一時的に 取り除けた結果も
又 再び もたらされてしまう。

そして その結果が
自分にとって 苦しい状況を
再び味あわなければ いけなく成る事を
彼は 知ってしまった。

だから
原因は まだ彼の中に残ったまま
彼は 結果を出すまいと
必死で押さえ込んで行く 生き方をする。

当然
以前の様な 仕事の仕方も出来ない
彼は 今や
迷いの真只中だった。

以前の歩き方が 出来ない様に
彼自身が コントロールする。

ところが
彼は それ以外の歩き方を
したことがない。

おまけに
彼の中には 以前の歩き方以外
出来ない原因が 依然としてある。


これは 苦しい・・・。
身動きがとれないし
八方塞がりだ。
もう 自分の行き場所がない。

丁度 こんな状態の時に
彼は 妻から大変な大ヒントをもらった
何か 些細な事が原因で
口論をした際に
彼の妻は 思わずつぶやいた。

「あなたって お父さんに ソックリね」

彼は 小さい頃から
父親を 憎んで 育っていた。

あんな人間にだけは 成りたくないと思って 
全部を 父親と 反対の方向に進んだ。

父親が 酒を飲んで 自分達が 
苦しめられたから 酒は飲まない。

父親が 仕事を全々しなかったから
自分は 仕事を徹底的にする
それも 一生懸命に!

父親が 賭け事ばかりしていたので
自分はしない。

全部を 単純に逆さにして行った。
彼の胸の中には

「俺も 同じ血が流れているのだから
同じ様な人間になってしまう可能性がある
だから 絶対にするまい」と
心に誓っていた。
だって 結果は あの父親だ

「逆にすれば 違う人生を 歩める」

彼は 父親の人生 
そして
父親の元から 自分が 離れるまでの
彼の人生を さげすんでいた。

だって お金に困り
ろくに 働きもしない。

学校へ給食費を持って行けずに
休まなければ いけなかった事。

酒を飲んでは 殴られる毎日。

又 22才の時の結婚式にも
参加してくれなかった事・・・。
 
父は 北海道で行なわれる式に 
参加する旅費を
賭け事に使ってしまい
その為 彼の結婚式は
彼側から たった1人彼だけだった。

彼は 父を憎んだ。
この時の怒りは 
自分が 惨めに見られた事も有り
凄まじい怒りだった。

思い出したら キリがない位に
嫌な事だらけの過去を
彼は 忌まわしいと考え
その過去を 忘れ込ませていた。

そして
すべてを 父親とは 
逆に 生きる 生き方によって

自分はすでに
父親とは違う人間に 成った事を
自覚していた。

だから
この頃では 別に父親の事を
嫌ってはいなかった。

むしろ 父親にも 父親なりの
大変さがあったのだろうと
考えられる位の彼に 成っていた。

けれども
それはあくまで 頭の上での
解り方であって
ハートからの ものでは 無かった。

本当に
父親を 理解した訳ではないのに
彼は 父親の事を
理解しているつもりでいた。

そこに 妻の言葉だ
彼の 頭の上での 理解は すっ飛んだ
その言葉を聞いて ムッとした

「何故 俺が親父に 似ているんだ
酒は飲まない 仕事はする 賭け事はしない
一体どこが 親父に似ているんだ」

あんまりだった。

今まで一番 努力している事を
そうじゃないと言ってくる 妻の言葉は
彼にとって 大変なショックだった。

ところが
奥さんの言葉が ピッタリ当っていた
彼は 型の上では 
確かに 似ない様に努めてきた。

だが
奥さんの言っているのは
精神的な 意味だった。

「あまりにも 自分勝手で 自分の事以外には
一見 暖かい思いやりが有りそうに見えるけれど
本当は そうでは無く その思いやりは
自分が良く見られる為のものであり 
本当の あなたは いつも自分の事しか
考えていない」と言う。

そして
「もしも あなたに本当の優しさが
有るのならば 人にあげる欠片でもいいから
私に下さい」とも言った。

これで
彼は いっきに落ち込んでしまった。

今まで別に
意識して そんな生き方を  
して来た訳じゃない。

ところが
一番身近な奥さんの言葉は
まさしく その通りだ。


昔の彼だったら
そんな言葉ぐらい「へ」とも思わないが
今の彼は違う・・・。

もう 一歩目の段階に入って しまっている。
今や 二歩目に向い
その二歩目が 直前にせまっている事を
なんとなく 感じ取っていた。

その場を うまく取りつくろった彼は
独りになって 考えた

「どうして そんな風に自分の事ばかりしか
考えられない人間に 成ってしまったのか?
俺には 優しさや 本当の思いやりは無いのか?
一体 いつ頃から そんな生き方を
始めてしまったのか・・・?
そんな俺に 父親の事など
理解出来てはいないのか?
もし 理解できていないのなら
それは一体なぜか?」

彼は 考えに考えた
一ケ月間の間 自分の過去を
自然にふり返り始めた。

ところが
なかなか 昔の事を 思い出せない。
自分の 小学校の頃までは思い出せるのだが
それ以前の 母親が 生きている頃になると
ピッタリと 記憶は途絶えたままだ。

昔から 母親の写真を見ても
何故かピンとこない。
これが 自分の母親だと言う実感がない。

そして
母親が死んだのは
彼の 5才の時だったと言うのに
その母親に関する
一切の記憶が無い。

彼は 何故か 考えた
そして ある事実に出逢った。

あなたは 知っているだろうか
あなたが 母親の胎内から
生まれ出た時点から 今日までの 過去を
人間は 一切憶えていると言う事実を・・・。

それは
テレビの画像を見る様に その時の光景が
そのまま流れ出て来る。

その時 母が着ていた着物の 柄までもが
蘇えってくる。
それどころか 匂いまでもが
蘇えってくる・・・。

幼い頃
母に抱かれて 吸っている乳の匂いまでもが
鮮やかに 蘇えってくる事を・・・。

それは
あなたの 潜在意識の中に
すべて インプットされている。

あなたが
ただ普段 使って生きている
顕在意識の中には
そんな記憶は インプットされていない。

ただそれを 
思い起せないのは
普段の 日常生活の中で

そんな事は
必要とされていない為に
やった事が 無いからだけだ・・・。

人間は
やった事がない事は
無理だと考えてしまう。

もしも普段から 
必要で それをしていたら
それは 難無く出来てしまう。

ちょっとした訓練で それは可能になる。 



















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  人間物語 の メール講座    NO18
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例えば
催眠療法と言うのがあって
それは あなたの顕在意識を眠らせ
潜在意識である 無意識層の中で
あなたが 気づかない内に
こだわってしまっているものを
探し出し
それから あなたを 解放するという事が
行なわれているし。

アーサーヤノフの創始した
原初療法という心理療法は
幼児期に受けた 何らかの心理的衝撃が
無意識の記憶としてとどまり
後年 心理的な歪みを生むという。

それを取り除く為
幼児期の原初の体験に戻って
自己を抑圧している
心理的傷からの解放をはかる。

もう終ってしまった過去に
囚われているなんて 馬鹿馬鹿しいと
あなたは言うかも知れないけれど

実際
多くの人達が 
この終ってしまった過去を 潜在意識の中に
無意識な記憶として とどめ それに基づいて 行動している。

それが
抑え様のない 怒りであったり
どうする事もできない淋しさであったり
性に対する深い欲求で あったりと・・・。

現在のあなたに 大きな影響を与えてしまう。
私の元で この成長過程を目指す多くの人も
100% 過去を 引きずって歩いている。

そして
100%の人が 父や母に
なんらかの 憎しみを抱いていた。

怒り 憎しみと言った
あらゆる感情の対象物 
それは 両親だ。

誰もが
一番 最初の出逢いをする
両親が元だ。
愛の対象の大元が両親だからだ。

そこに対しての
悪感情が 少なければ少ないほど
そこからの心理的打撃が
少なければ 少ないほど
人は 生に対して
歪みも少なくなるし
その逆なら
歪みも大きい。

だから
親というのは 重要な役割を持っている。



そして 現在のあなたが あるのは
過去によって 型成されている。
その歪みを 落とさなければ
あなたの未来は 過去のくり返しだ。

それ以外は 歩ける訳がない。
それが あなたが歩けない
大きな原因のひとつだ。

形の上では 
違った事をやるかも知れないが
その行動の根底に流れる
ひとつの流れは 
絶対に 変えられない。

あなたが それに気づかなければ
絶対に変化しない。

その根底の流れとは・・・。

例えば
あなたの 失敗のパターンだ。
その失敗のパターンは
ふり返ってみると どれも似ている。

もう少し
頑張れば 何とか成ったのに
いつも
あと ひと息と 言うところで
投げ出してしまう。逃げ出してしまう。

または
あそこで もう少し 我慢が出来れば
ああは 成らなかったと言った


あなたが 過去何度となく
悔いて来ているのにも拘らず
繰り返してしまう
あなたの 生き方 そのものの事だ。
それは
どんな反省も 勉強も役には立たない
ただひとつ 成長が必要なだけだ。

それも 本性の成長
内なるものの成長。

今のあなたが
消え去れば 消え去るほど
内なるあなたは 成長する。

本当のあなたは いつも
外へ出たがっているのに
あなたがそれを 邪魔している!

彼の話にもどろう
彼が 出逢う事の出来た 事実は
母を 思い出せなかったのは
逆に 母の事を 
思い出したくない事実が
有るからではないかと 考えた時に
突然の様に 
浮び上がって来た 場面が有った。

それは
彼にとっては,とてもショッキングな
場面だった。




彼が丁度 3才に成ったか 
成らないかの頃の 
夕ごはんを食べている場面だった。

まるで テレビでも見ている様に
ハッキリと 浮かび 上がって来た。
丸い黒い御膳
その御膳を 父と母と 兄が取り囲む
丁度 夕飯を食べていると
突然 父が壁に肱をあてた。

父親は 食事の前から
何か不機嫌そうだった。
おまけに お酒が入っていた。

いきなり 大声で
「バカヤロー!」
と怒鳴り
母親を 力一杯 殴りつけた。

とてもショッキングで
あまりの恐怖の為
彼は 震え上がっている。

ところが
彼は小さくて 
何もする事が 出来なかった。

けれども
彼は 
心の中で 有る事を叫んでいた。

それは 声にならない声だ
つぶやきだ
「やめてよ 父ちゃん! 母ちゃんが可愛想だ
やめてよ! 父ちゃんがいると怖い
皆 怖がっている。
いつも母ちゃんの事ばかり
いじめている父ちゃんなんて
死んじゃえばいいんだ。


お前なんか 居ない方がいい
僕が大きくなったら
お前なんか 絶対に 許さない
お前なんか いつか必ず 殺してやる」
ハッキリと 3才の彼が
そこまで感じている。

これは 考えているんじゃない
瞬間に 感じている
胸の中の塊を
のぞき込んだら
これだけの言葉に 成っていた。

そして
その場面を 想い起こした 後
母との様々な記憶が蘇えって来た
楽しかった 母との触れ合いの日々の記憶が
彼に戻って来た。

彼は お母さん子であり
母を 凄く愛していた。
その母の悲しんでいる姿を
見たくはなかった。

そして もうひとつの理由は
彼の5才の時に 母は亡くなっている。
もし 記憶を甦らせれば
その「死」の記憶に連がってしまう。


この二つの事実を まのあたりに
したくない為に 
彼は 母との 一切の記憶に
蓋をしてしまっていた。

それを再び見る事は 悲しすぎる
だから彼は 自分から母との連ながりを
分断してしまって
それには 背を向けて生きて来た。

そして
「俺には 母は居なくて当たり前
別にその事で 悲しいとか
もし 居たら良いなあとか
感じた事はない」
と 生きて来てしまっていた。

事実
彼は 既に幼い頃に
母との気持の繋がりを
断ち切っていたから
それは 強がりではない。

彼は 幼い頃から
顕在意識の中に
母は 居なくて当り前だと
教えこんでいた。

ところが
再び まのあたりにしたくない過去を
生き直そうとして
それと出逢おうとして
過去をふり返って見ると
彼は 新たな事実を発見した。


自分が 憎んでいたのは 父だけだと
思っていたのに・・・・。
小さい頃から
何か 嫌な事が有ると
必ず 「父親がこうだからだ」と 心の中で
父親の所為にして生きて来た。
彼が 発見したのは その先だ
父親の所為に出来ない時には

当然
自分の責任を認めなければいけないのに
いつも そこに来ると
スルリとかわして
「自分が悪いけれど もし母さんが生きていたら
俺は こんな風には 成らなかったんだ」
と 彼に とっての聖域であった母を
ちゃんと 最後の自已逃避として
使っていた事だった。

彼は 心の奥で母を断ち切れてはいなかった。

表層で 頭で 母の死を当然の様に
受け入れている彼は
実は 自分を悲しませない為であって
奥の方では 心情の部分では 母の死を
まだ一度も 認めていなかった。

彼は
自分にとって 
もっとも傷の大きいと思われた
母の死を
再び逃げずに
見つめ直す事にした。

何故なら
母の記憶が 甦った後
3日間も彼の頭から
離れなかったものがある。

それは
母が 棺桶の中に入り
その母の身体の周りを
鮮やかな菊の花に包まれている
母の顔だ。

それが 妙に 彼の頭に取り付いた。

そして
彼は 母の死を再び 見つめ直す事を
決意した。

彼は その場面の中を生き直した。
見つめれば 見つめるほど
母の気持が 鮮やかに 蘇えって来た。

母の 息を引き取る
直前の心情が 母の胸の内が
母の死を生き直す 彼の胸の中に
現れ出て来た。

彼は そこで初めて
母の死を
心の底から認めて上げる事が出来た。

彼は
母を 心底許す事が出来た。

この時点まで
彼は 母が 自分達を 置いて去った事を
許していなかった。

母が死んだ事を 許していなかった。

あまりにも 遠い過去の為
あまりにも 悲しい事実の為
彼は それからいつも 目を 背けて来た。
忘れ去ろうとして 生き続けてきた。






















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   人間物語 の メール講座    NO19
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そして
この日 彼は 母の本当の お葬式をした
それは 彼の 心の中の お葬式だった。

実際の 母の お葬式は21年も前だったのに
この日 26才で彼は 
母の 本当の お葬式をした。

その彼の
胸の奥底に蘇えった 
母の 息を引きとる 直前の
心情を紹介します。

彼は言っていました。
これは蘇えってきた 母の亡くなる直前の記憶の中で
母側の気持ちの中に立って 幼い自分の姿が見えて来た時に
自然に胸の中に沸き上る気持ちに正直になりながら
悲しみに翻弄されないようにして書き続けたものです。


「 たかし もっと こっちに いらっしゃい
どうしたの? そんなに 悲しい顔して
たかしは もっと強い子でしょ・・・?
そんなに 泣いちゃだめ。

もっと 傍にいらっしゃい
こんなに 泣いて
母さんは とっても悪い母さんだね
お願いだから たかし
もう泣かないで。

母さんまで 悲しくなるもの
母さん もっともっと
お前達のことを 愛していれば良かった
こんな事に 成るのを 知っていたら
もっと たかしの事
いっぱい 可愛がってあげていれば良かった。

こんなに ちっちゃい手 かわいい手
父さんに ソックリな顔

たかしの もっと 大きな手
父さんの手 みたいに 大きい手

母さんも 負けちゃいそうな
大きい手になるまで
生きたい・・・。

ごめんね たかし
母さん 許してね。

たかしは 甘えん坊さんだから
余計に 辛いわよね。

母さん たかしが お嫁さん貰うまでなんて
贅沢な事 言わない。

せめて 小学校に上がるまでで 良い
母さん 生きたい・・・。

まだ 何もして あげていないものね。
たかし こっちを向いて
母さんを見て。

母さんの お願い聞いて
お願い たかし。

これからは 父さんに
甘えて ばかりじゃなくて
言う事を 聞いて
父さんを 困らせちゃ 駄目よ。

たかしは おりこうさんだから
わかるわね。

とっても 我侭なところの有る たかしだから
人に迷惑をかける 人に成っちゃ駄目よ。
みんなに 好かれる子に成ってね。

そして
母さんの事 忘れないで。

たかしの事を 
とっても 好きで 好きで堪らない
母さんの事 忘れないで。
たまには 思い出してね・・・。

兄弟 仲良くするのよ
2番目のお兄ちゃんだってこと
忘れちゃ駄目。

たかし
母さん 死にたくない・・・。
お前達を 残して死ぬなんて嫌。

もっと もっと 生きたい。
ずうっと お前達の 傍に 居たい。
たかしは
どんな お嫁さんを 貰うんだろうね?




母さん みたいに
早く 死んじゃう人じゃ駄目よ。
丈夫な人を もらいなさい。

こんな事言っても
まだ 今の たかしには
わからないわよね。

たかし 母さんの手 握って 頂戴。
ちっちゃな 可愛い手
いっぱい抱きしめて上げたい。

それが 母さんの 最後にしておきたいことよ 」



彼が この母の 
心情を理解できた時
彼は 母の「死」 以来
口にする事を忘れていた 母を呼んだ。

彼は 心の底から母を呼んだ。
「母さん」と 彼は 何度も 何度も 呟いていた・・・。

彼が 1番 辛い思いをして来たと
思っていたが

自分以上に 辛い思いをし
死んでも 死に切れていない

母の辛さを 
苦しさを 
悲しさを
彼の 体全体で感じ取り 理解した。

そして 
自らの 苦しさの 
辛さの 悲しさの中に有っても 

なおも 
自分達の 事を
思いながら死んでいった
母の愛を理解できた時に 初めて
彼は 母の死を認める事が出来た・・・。

頭では無く 身体全体で
ハートで 理解し 認める事が出来た。

それ以来
彼は 母と常に
繋がっている様な感じがすると言う。

更に 
母の死は 彼の中で辛いものでは
無くなってしまった。

いつでも 振り返ることの出来る
懐かしい思い出に変わってしまった。
母からの愛情の確認が出来る
むしろ 嬉しい思い出に成ってしまっていた。


真の理解は 
あなたに 必ずや
素敵な贈り物をもたらしてくれる。 





















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   人間物語 の メール講座    NO20
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そして
続けざまに
父の事への 発見が出来た。

彼は 考えた。
もし 自分が 妻の気持ちに
気づかないで

いつも 仕事の事だけ考える
以前の 男のまま
自分の妻が 死んで行く事になったら
どうだったろう・・・と。

父の心情は
まさしく
そう考えた時の自分の心情
そのものだった。

そして
彼は 小学生の頃
酒に酔った父が
よく口にしていた言葉を 思い出した。

「 父ちゃんは お前達が居なかったら
あの時 母ちゃんと一緒に
死んでいた 」

彼の父は 母が生きている当時は
仕事は 一生懸命であったし 

お酒も それほど飲まなかった。
すべてが狂い出したのは
彼の 母が死んだ後だ。

彼の父親は
母親に 苦労を掛けっぱなしで
29才と言う 若さで 
死なせてしまった事を・・・。

自分が 何もして上げられなかった事を
幸福に出来ない内に
死なせてしまった事を 悔いて
それ以来
変ってしまったのだった。

もし 自分が 同じ立場に立たされたら
その時の気持も
第一歩目を越えた彼には
理解できる・・・。

自分も 同様の事をしていた。


すると
彼が 今まで
父に対して 抱いていた恨みが
ガラガラと
音を立てて 崩れ始めた。



そして
憎しみの 思い出しか 無かった
過去の中に
父の本当の姿が 現れ出て来た。

それは 彼が まだ
孤児院に預けられる前の頃だった。

丁度
母の亡くなった直後の 父の姿だ。

彼の父は 
母の遺骨を
納骨までの間

毎晩の様に  
仕事から 帰えると
骨壷の蓋を 開けては
母の骨を取り出し

自分の 頬に当てて
涙を 流している 父親の姿が
幼い彼の目に 焼きついていた・・・。

父は こんなに母を愛していた。
母が死んだ時に 本当に辛かったのは
父だった。


それは 父への憎しみによって
掻き消されていて

今日の 今日まで 
思い出すことの出来なかった
大切な記憶だった。 

彼は思った
「 俺なんかの 何十倍も
親父の方が辛かったんだ。


小学生の頃に 酒飲みの戯言が
又 始まった位にしか
聞いていなかった 親父の言葉は
本当の事だった。
親父は真実を言い続けていたんだ・・・。
俺は 何ひとつとして 解ってなんか
いなかったんだ 」

彼は 自分が憎らしくて 僧らしくて
仕方がなかった。

何も 真実を知らず
父の事を憎しみ続けた
21年間の馬鹿な自分に対して・・・。

そして
この時 生まれて初めて
父と母に 出逢う事が 出来た様な気がした。

この世に たった1人しか 居ない父
そして 母との 気持ちの繋がりを断って歩いてきた 
自分の 馬鹿さ加減。

自分を 生み落してくれた 両親との
意識の 繋がりを 断ってしまえば
自分は 無い。

そして
そこを愛していない人間に
人を 愛する事など 不可能であるし
第一 父や母を心の中で
嫌って歩いている自分自身を
自分は知っている。
そのままでは
そんな自分を愛する事さえも出来ない。

自分ですら
愛したくもない自分の事を
他の人が 愛してくれないと言っては
傷ついたり 腹を立てたりしながら
生きて来た 今日までの日々が
いかに不可能な事を
してきたかと言う事に
彼は気づいた。
彼は 理解した。

この事実に気づかなければ
不幸は 必ず起こる。

彼も又
彼の父親と同じ運命の上を
歩いた事だろう。

普通 世間の人達は
嫌な 父親を見ると
それとは 逆に成ろうとする
それが どんどん父親と
同じ道の上を
歩いて行っている事には 気づかない。

何故なら
彼の父親も 父親を憎んでいた。
彼の父親は 私生児だった。

自分を捨てた父親を憎んで生きた。
絶対に そんな人間に成るまいとして
そうして 歩けば 歩くほど

型は重視するが
細やかな気持が 見えない人間になって
いってしまう。

彼が 妻に対していた時と同じだ
彼は 彼の父が
父を憎んで その反対に
歩き始めていたのを 見ていたら
また 道も変ったろう。

だが 彼はそんな事は 知らない。
自分だけは そうなっては
いないと思って 歩く。

その為
世の中に悲劇は 起り続ける
くり返される。
何十回と 何百回となく
これが カルマ(業・過去からの流れ)だ。

それは
自分の 生まれ出た 両親に
心底から 近づければ 近づけるほど
その分 カルマも小さくなる。

その人達と 真に一体と成れたら
その時こそ
その流れを越えている。

彼は 二つ目の段階を理解した。

この段階までで
現在の中に生きている
あなたの 問題の原因と 結果の
理解が 可能だ。
だが
これでも まだ
歩き出したばかりの ヒヨコで
あなたは 生まれ出てはいない。

それは 三段階目を越え
四段階目を 越えた時に ようやく起る
そこまでは
満足してしまっては 駄目だ。

だが
彼は ここでピッタリと
立ち止まってしまった。

何故か
彼は 満足してしまったからだ。

この二つ目の段階に気づいた
その夜
彼は いつまでも眠れなかった
彼は ベッドに入って横になると
涙が 溢れて溢れて止まらなかった。

それは 丁度 溢れ出て来ると言った 表現が 
ピッタリだった。
決して悲しい訳では 無かった。

「 父の生きている内に 気づけて良かった
もしも 父が 死んでしまっていたら
この気持を伝える事が出来ない。今で 良かった 」

彼は 父に電話をした
どうしても その気持を伝えたかったからだ
最初は 彼の父も驚いてしまい
どこか 身体の具合でも悪いのか
それとも 頭が変になってしまったのかと思った位いだ。
だが
彼が 事細かに話して行くと
彼の 記憶が余りにも正確なので
父親は 喜んだ。

そして
「 お前達に 恨まれていたのは知っていた
でも 父ちゃんは 恨まれても
仕方のない事をして来たから 当然だと思っていた。
でも お前が そんな事にまで
気が付いてくれたのが 嬉しい。
父ちゃんの事なんて 良いから
もっと 母ちゃんの事を 解かって遣ってくれ
お前の 母ちゃんは とっても優しかったんだ 」

と 言って泣いていた。
それを聞いて 彼も泣いた。
やはり 彼の思った通りに
父は 母を誰よりも愛していたからだった。

彼自身が 今日まで
長い年月 苦しみ こだわって来た
全ての事が この段階で 
殆ど解決されてしまっていた。















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